千の風が吹いている [生と死]
自分に与えられた宿命は何なのだろうかとよく思うのですが、思えば思う程良くわかりません。
もしかして自分の中に現世から逃げ出したいと思っている事があるのでしょうか、夢の中で幻惑
されているような、不思議な光景と言うのでしょうか良くわからない次元を彷徨っている様な感
じを抱いている自分がそこに居るのです。
自分と言う個体の中に宿る命その魂は何処から遣って来たのだろう等と考え倦ねている自分が夢
の中で葛藤している様子はとても可笑しいと思いつつも頭の中では迷走しています。
今はこの世に別れを告げてしまった人達が夢の中に良く登場するのですが、これはどの様な現象
なのでしょうね、もしかしたら私を呼びに来ているのかも知れませんがまだ夢の中だけのお付き
合いにさせて頂きたいと思います。
個体から抜け出た魂は千の風になって時には爽やかに、そして時には荒々しく吹いて行くのでし
ょうか・・・・また何処の個体に宿る日がやって来るまで・・・・。
大事な人との別れ [生と死]
私は今ベートーヴェンのヴァイオリンコンチェルトニ長調を聴いています。
大事な大事な私の友人の好きな曲でした。
一緒にコンサートに行ってこの曲を聴き、その後お茶を飲みながらいろいろと感じた事を話し
合いながら余韻に浸り何とも言えない幸福感を感じたものでした。
私にとってとても大切なそして大事な友人だったので尚更なのでしょうが、突然病に倒れあっ
と言う間にこ世を去ってしまいました。
人の命の儚さをあらためて突きつけられて哀しい思いが溢れて来てどうしようもなく落ち込ん
でしまっています。
しみじみとした思いにさせられて胸に迫ってくる悲しみに耐えている私の脳裡に豊かな友人の
笑顔が重なってしまいます。
『始めがあれば終わりあり』この世に生を受けて人生を全うして晩年をむかえ死に至る、この
当たり前の循環が自然のリズムなのですね。
私の心の中に何時までも留めて・・・・、思い返す事が私より先に亡くなってしまった大事な
人達へのささやかな供養になるのかも知れないと思っています。
生きると言う事 [生と死]
年の瀬を何時ものように迎えても慌ただしさという感じを持つ事が無くなりつつある気がし
ていますが、それは母があの世へ旅立ってから二年が過ぎて三回忌も済ませて少しは気持に
余裕が出来て来たのでしょうか、母からは人間が生きて行く上で良い事も、悪い事も、ピン
からキリ迄教わった気がします。
人は自分の前にある困難な現実から逃げてはいけない、しっかり勇気を持って立ち向かって
行く事が何より大切な事なのですよと身を以て教えてくれたのだと思っています。
母は生前まだアルツハイマー認知症になる前の健常だった頃『わたしは家族を含め他人に迷
惑をかけてまで生きていたくない、自分で食事が出来なくなったり、下の排泄が出来なくな
ったりした時、とても生きていられないから出来る事ならそうならない様にころりと死んで
しまいたい』等と常に日常の会話の中で話していました。
良く生きて、良く死にたいと私も思いますが、生まれるときも自分が産まれたいと思ってこ
の世に出て来た訳でもなく又死ぬときももう死にたいから死にますよと言ってこの世を去る
訳でもありません。
この世に生まれた以上精一杯努力を積み重ねて自分が生きた軌跡を自分の歴史として己の心
に残す事なのだと私は思っています。
時間と言うのはフィルターの様なものでいろいろな苦難や困難をも、苦悩を通して傷ついた
さまざまな心の傷も少しづつ濾過してくれるものなのですね。
命の儚さ・・・・ [生と死]
生活習慣をいい加減にいていると知らぬ間に病魔に巣をつくられてある時突然に
反逆に出会ってしまう。
長い間健康だと思い込んで大丈夫だと決め込んで気張っているうちに静かに病は
進行していることが意外に多い。
私の知り合いが糖尿病に依る合併症で亡くなった。あんなに元気印の表面的には
健康そうで立派な体躯をしていた。
それなのにあっという間の出来事の様に感じてしまう程具合が悪くなったと知っ
た時には既に遅く病魔は深く潜行していたのだろう。
人の命があんなにあっけなく閉じられてしまうなんて、儚いものですね。