遣る瀬ない気持が・・・・・。 [健康]

0.jpg





私の脳裡に灼きついている哀しい思い出があります。

それは私の母が八十半ばを過ぎた頃に出会った当たり前の日常生活の中での出来事でした。

その日も何時ものように朝をむかえて庭掃除をする母の姿がありました。

朝テレビのニュースを見ながら何時ものように食事を済ませてから庭に出たと思ったら植木鉢を

次から次へと部屋の中に運び込んでいるではありませんか、その日は晴れていて雨の予報もない

日であると言うのに、そして部屋の中で植え替えを始めているのです。

驚いた私が母に注意をすると怪訝な顔をして見返しながらふくれた表情をして私を見るのです。

そして『朝ご飯は未だかい?』と言うではありませんか、つい今しがた朝ご飯は済ませたばかり

だと言うのに、私がもう朝ご飯は食べたでしょうと言うと、食べていないと強く言い返して来ま

したので『何言っているのもう食べました』と少し語気を強く言うと母は涙ぐんでしまいました。

その時に私が持ち合わせていた認知症の情報では、もしかして認知症のサインではないなのかと

云う思いが頭の中を過り駆け巡っていきました。

その頃は認知症とは云わず痴呆症と云う言い方をしていました。

その後の母は正常な時があるかと思えば痴呆の症状が出て来たりして、いわゆる斑ボケと云う状

態のようでしたが次第にそのパターンにはまって行ってしまったのです。

何とも遣る瀬なく、今思うとあの頃の認知症に関する知識の薄弱さを悔いて自身を責めてしまい

ます。


タグ:認知症 介護
nice!(52)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 52

コメント 5

cariffa

初めまして、写真も文章もとても静かで優しい感じがしてなんだか落ち着くブログですね^^*
私の場合、似たような遣る瀬無い感はおじいちゃんやおばあちゃんに向けられてしまいます。理解していてもなかなか上手く相手に接することができないのもしばしばです;;上手くいかない時もあるからこそ、あらゆることを学べて、穏やかに対応できるような器の大きい人間になってゆくんだろうなと思っています。
by cariffa (2010-02-11 14:12) 

terrybear

ごめんなさい。読んでいて涙が出てきました
マミーのおかあちゃまが今まさにその状態で
マミーの甥っ子が老人福祉の介護士をしていて
昔のことを忘れるのはまだいいけどご飯を食べたことを忘れるのはまずいんだって言ってます
同じことを何回も話すとか、いつもおしゃれが好きできれいにしていたのにこの頃は“めんどくさい”の一言で身の回りのことに気をかけないとか
きちんとしていたおかあちゃまだったのにって悲しくなってます
by terrybear (2010-02-11 17:05) 

ひまわり

訪問&niceありがとうございました。
30年近く前のことですが、私の曾祖母が同じ状態でした。
この記事を読んでいたら、その曾祖母や曾祖母を介護し続け
その2年後に追いかけるように亡くなってしまった祖母のことを
思い出しました。
by ひまわり (2010-02-11 17:41) 

かずい

認知症…。僕の両親は、最近現役を引退したばかりで、まだ先のことでしょうが、いつかは立ちはだかる問題ですね。

それにしても読みやすく、心落ち着くっていうか。デザインとか文章とか、落ち着いてて良いですね。見習いたいです。
by かずい (2010-02-11 23:50) 

ショコラ・パパ

認知症…まだまだ先の事かと思っていましたが、
現在、ショコラ・パパは直面しています。
しかし、まだnuevo8haloさんが書かれたレベルではありませんが…。
子供にとって親は、いつまでも元気でいて欲しいものです。
by ショコラ・パパ (2010-02-12 01:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。